トーシンコーポレーションの新商品展示会2025に参加してきました – GRC立水栓や門柱など注目アイテムをレポート

2025年7月23日~25日に、大阪のミヅシマ工業株式会社にて開催された「トーシンコーポレーション 新商品展示会」。
今回はその中日、7月24日に参加してきた際の内容をレポートします。
・エクステリア商材の仕入れ・提案を行っている業者様
・素材や施工性にこだわる外構プランナー・設計士の方
・GRC製品や宅配門柱など、差別化できる商品を探している方
※一般のお客様にとってはやや専門的な内容を含みますが、最新情報を知っていただく参考になれば幸いです。
トーシンさん、展示会には出てなかったけど…?
今年2025年の大規模展示会には、トーシンコーポレーションさんは正式出展していなかったとのこと。
ただし、関東エリアでは他社OEMとして“黒子”として出展していたそうです。
その分、今回のような単独開催の展示会はとても貴重ですね。
今回の展示構成とざっくり概要
会場は2フロア構成で、1階はプランターやベンチといったアイテムが中心。2階は、門柱や立水栓などが展示されていました。
ちょうど、それぞれのカタログカテゴリー「プランター」・「カスタムエクステリアシリーズ」に合わせて会場が分けられていたようでした。
今回は、このうち2階の展示を中心にピックアップしてお届けします。
GRCの立水栓、細部にかなりのこだわりが。
個人的にまず惹かれたのが、GRC(ガラス繊維強化セメント)製の立水栓。
【GRCとは?】
ガラス繊維を混ぜたセメント素材。従来のセメントに比べて軽量かつ高強度で、細かい意匠表現が得意な素材です。
アルミではまず再現できないような微細な質感が表れていて、実物を見ると「おっ」となります。
中でも「シェーブベント」は、八角形の立体構造が特徴で、太陽の光が当たることで陰影がしっかり出る設計。
屋外に設置した際、時間帯によって見え方が変わるのも面白そうです。
カラーはあえてのグレー。最近はブラック系が主流ですが、立水栓としての立ち位置を踏まえ、あえて主張しすぎず、住宅の外観になじむような色合いにしているとのこと。
また設計担当者のこだわりで、水栓のハンドルを回すときに手が本体にぶつからないよう、蛇口の位置を工夫しているそうです。
意外とこうした細部にまで配慮された製品は少ないので、実際に使う方からすると嬉しいポイントですよね。
蛇口はビンテージ感のあるサビ調仕上げで、こちらもトーシンさんのオリジナル。グレーのボディとの相性も抜群で、見た目のバランスもとても良かったです。
「シェーブワイド」のガーデンパン、使い勝手も良さそう
立水栓とセットで展示されていたガーデンパン「シェーブワイド」も注目の商品でした。
浅くて広めの形状なので、バケツを置いたり、ちょっとした洗い物などにも使いやすそうです。
開発当初は、水を使ったあとの「跡」がなかなか消えず苦労されたそうですが、GRC製造時に混ぜる色粉を見直すことで、その課題もクリアできたとのこと。
こういった開発の裏話は、リアルな展示会ならではの醍醐味ですね。
「MONO(モノ)」は短工期・意匠性のバランスが◎
今回説明してくださった営業の方が一番推していたのが「MONO(モノ)」。
本体はFRP、笠木はGRCで構成された乾式の門袖ユニットです。
乾式というと少し堅く聞こえますが、ブロックを積む必要がなく、あらかじめパネル構造で製造されているため、現場での作業がぐっと楽になる構造のこと。
職人さんの確保が難しい今、工期の短縮やコストダウンの面でも有利な設計です。
ちなみに「MONO」は、見た目はとてもシンプルですが、細部までよく作り込まれていました。
ポイントをまとめると、
- 笠木に後勾配がついていて、雨だれが目立ちにくい。
- 内蔵LED照明は、表札やインターホンの位置に合わせて、左右または中央に取付け可能。
- 表札やインターホンは現場で穴加工をする前提なので、レイアウトの自由度が高い(※宅配ポストの位置は固定)。
- 補修用塗料(GRC・笠木それぞれ)が同梱されているので、現場で傷がついても安心。
- 複数受取にも対応しているシンプルなデザインの宅配ポストが設定されていて、取り出し方向のバリエーションも豊富。
「シンプルだけど施工性も機能性も欲しい」という要望に対して、ちょうどいいバランスの商品だなと感じました。
GRCステップは資料のみ。でも、内容はめちゃくちゃ良い
今回、会場には実物展示はなかったのですが、資料で紹介されていた「GRC STEP(ジーアールシー ステップ)」も非常に気になる存在でした。
新商品というわけではないそうですが、営業の方もかなり推していたのが印象的でした(笑)
トレンドの「浮き階段」ですが、それを手軽に実現できる跳ね出し専用の下地材として使えるとのこと。
構造としては、ネジボルト用の穴があらかじめ裏面に開いていて、コンクリートブロックの上にのせて埋め戻せば固定完了、というシンプルな施工方法。
現場で好きな仕上げ材を貼って仕上げられるうえに、カットも可能なので、設計の自由度も高いです。
一番の注目は、なんといっても「はね出し120mmまで対応」できる点。
LIXILの2025年の新商品「浮遊ステップ」だと、はね出しがタイル納まりで85mm、アルミ納まりでも100mm程度となっているので、それよりしっかり出せるのはデザイン的にも大きな差。
「強度は大丈夫?」という声も出そうですが、そこはさすがGRC。
クラックが入る想定荷重が約2t、破壊荷重は約4tとのことで、2tで成人男性28人分相当と聞くと「いや、そんなに一度には乗らんけど(笑)」とツッコミたくなりますが、安心感は抜群です。
さらに、LED照明を仕込める凹みも裏面に用意されていて、夜間のライティングにも対応できる設計でした。
まとめ|GRCを活かした製品力の高さを実感
今回の展示会、全体的に派手さこそないものの、ひとつひとつの製品の完成度が高く、設計者目線・現場目線での工夫が随所に見られる内容でした。
特にGRCの取り扱いについては、さすがトーシンさん。素材の特性をしっかり理解したうえで製品設計に落とし込んでいることがよくわかる展示内容だったと思います。
やっぱりこういう展示会は、実物を見たり開発背景を聞いたりできるのが大きな収穫ですね。
今回のレポートが、エクステリアを提案する方や、エンドユーザー様の商品選定のヒントになればうれしいです。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
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