大判タイル仕上げで失敗しない埋め込みポスト選び。投函蓋が外せるタイプなら施工性・仕上がりも安心

大判タイル仕上げで失敗しない埋め込みポスト選び。投函蓋が外せるタイプなら施工性仕上がりも安心

先日、「1枚物の大判タイルを貼る門塀に、YKKのエクステリアポストG3型を付けたいけど大丈夫ですか?」というお問い合わせをいただきました。

正直なところ、エクステリアポストG3型をはじめ埋め込みポストを大判タイル仕上げに組み合わせた施工事例は普通にあります。

特にタイルを分割して貼るなら、割付の調整でうまく収まるケースが多いです。実際、ネットで施工例を探してもたくさん出てきます。

ただ、今回のケースは「1枚物の大判タイルに収めたい」というご要望。ここは少し事情が違います。

タイル1枚をきれいに四角く切り抜いてポストをはめ込むのは難しく、仕上げのコーキング処理が目立ちやすい可能性もあるんですよね。

1枚のタイルの中に、投函口を収めるとなるとかなり施工技術が必要になる。

なので、施工性と見た目のバランスを考えて「投函蓋を外せるタイプのポスト」をおすすめする流れになりました。

■本記事はこんな方におすすめ
・大判タイル仕上げの門塀にポストを収めたい方
・施工性と美観を両立したい外構業者様・設計者様
エクステリアポストG3型の特徴と施工の基本

エクステリアポストG3型には「05サイズ・15サイズ」があり、それぞれ「1段ブロック用・2段ブロック用」から選べます。

05サイズはブロックを積む際に、ポストを埋め込む仕様のため、新設で採用されるケースが多いです。

今回ご相談いただいたお客様も15cm厚のブロックを積む予定とのことだったので、05サイズをご案内させて頂きました。

エクステリアポストG3型はサイズも色々選べる

仕上げについてですが、実際の施工事例を見ても、エクステリアポストG3型を大判タイル仕上げの門塀に組み合わせているケースは珍しくありません。

分割された大判タイルであれば割付調整が効くため、見栄え良く仕上げられるのが一般的です。

なぜ「1枚物の大判タイル」だと注意が必要なのか

ただ、今回のお客様のケースは、「1枚物の大判タイルに、エクステリアポストG3型を収めたい」という条件でした。

この場合、注意点として以下をお伝えさせていただきました。

  • 投函蓋とタイルがツライチ(同じ面位置)になるため、切り欠きを蓋で隠せない
  • タイルの切り欠き精度が仕上がりに直結し、コーキングラインが目立ちやすい
  • 1枚物のため割付による位置調整ができず、施工難易度が上がる

投函蓋よりも大きく切り欠くとコーキングが目立つ

つまり「施工できない」わけではないものの、仕上がりリスクが高まる条件であることは間違いありません。

個人的には、1枚物を切り抜いて投函口を合わせるなら、大判のタイルよりタカショーのエバーアートボードを使う方が施工性は高いと感じます。

エバーアートボードはアルミと樹脂の複合板に耐候性シートをラッピングした建材で、85色から選べる豊富なバリエーションがあり、切り抜き加工もしやすいのが特長です。

タイルの質感を求める場合には選択肢から外れるかもしれませんが、現場での扱いやすさを重視するならアリな商品だと思います。

切り抜くならタカショーのエバーアートボードが施工性は高そう

投函蓋を外せるポストを選ぶメリット

とはいえ、お客様のご要望は「1枚物の大判タイル」だったため、代替案として「投函蓋を取り外して施工できるポスト」をご提案しました。

このタイプのポストを選ぶメリットは次の通りです。

  • 施工時にタイルを多少大きめに欠き込んでも、最終的に蓋である程度カバーできる
  • コーキング処理も蓋の裏に回ることで、正面からは目立ちにくくできる
  • 施工担当者が精度に過度に依存せずに済む

もちろん、コーキングが完全に隠れるわけではなく、施工条件によっては見える部分が残る場合もあります。

ですが、一般的な埋め込みポストに比べれば、仕上がりの安心感が高いのは確かです。

1枚物の大判タイルを切り抜いてポストを収めるケースがどの程度あるかは分かりませんが、こうした選択肢を知っておくと現場対応の幅が広がると思います。

投函蓋を外せるおすすめポスト
【LIXIL】エクスポストKN 前入れ後取り出し(木調色)

LIXIL エクスポストKN アイキャッチ
木目調で柔らかい印象になるので、ナチュラル系の外構に合わせやすいと思います。錠付き・錠無しを選べるのもポイントで、クローズ外構のような外部の人が勝手に入ってこないような現場であれば「錠無しで十分」というケースもありますね。色数も9種類もあるので、コーディネートしやすいのもポイントです。

【LIXIL】エクスポストKN 前入れ後取り出し(アルミカラー)

LIXIL エクスポストKN(アルミカラー)アイキャッチ
シンプルなアルミ仕上げなので幅広いエクステリアデザインにマッチすると思います。アルミカラーなのに5色から選べるのがアルミメーカーLIXILさんならではの強み。(実際のところはトレンドの「ブラック」の要望が多いですが…)木調タイプ同様に大きめの郵便物にも対応しているので、日常的に使うには十分な安心感があります。

【ユニソン】オスト ヨコ05

オスト-ヨコ05-アイキャッチ
大きな化粧パネルが特徴的なオスト。別売のインターホンカバーと組み合わせてコーディネートも楽しめる商品です。施錠はセキュリティの高い3桁合わせのダイヤル錠。新設向きの05サイズだけでなく15サイズの設定もあるので、新築だけでなくリフォーム現場でも採用しやすいと思います。

【福彫】デザインポスト スピラ1B

デザインポスト スピラ アイキャッチ
カラーはビビットなレッドをはじめクールなシルバー、モダンなブラック、上品なダークチェリー(木目調)から選択できます。今回ご紹介しているサイズは1Bサイズですが、投函容量が必要なら2Bサイズも用意されています。投函蓋が目立つデザインなので、カラーを変えると雰囲気もガラリと変わります。現場のイメージに合わせてカラーを選んでみてください。

まとめ

エクステリアポストG3型を含め、埋め込みポストは大判タイル仕上げに施工されている事例も少なくありません。

ただ、1枚物のタイルの中に投函蓋まで収めようとすると、切り欠きの精度やコーキングの見え方が仕上がりを大きく左右します。

そうした条件では、投函蓋を外せるタイプを選んでおくと安心感につながるはずです。

結局のところ「施工できるかどうか」だけでなく、「どうすればきれいに仕上がるか」を意識して選ぶことが大切だと思います。

今回の内容が、大判タイルと埋め込みポストを組み合わせたいと考えている方の参考になればうれしいです。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。

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