間口6mで20台の駐輪設計は無理?平置きラックが収まらない理由とスライド式の解決策

間口6mで20台の駐輪設計は無理?平置きラックが収まらない理由とスライド式の解決策

最近、自転車ラックについてのお問い合わせをいただく機会が増えてきました。
ありがとうございます!

今回ご紹介するのは、実際にあった「有効間口の中にできるだけ多くの自転車を駐輪したい」というご相談です。

内容としてはシンプルで、

「間口6mに20台、間口3,780mmに12台駐輪したいです。ダイケンのサイクルスタンドCS-Hの組み合わせを教えてください。」

というもの。ただ、実際に計算してみるとある壁にぶつかります。

同じようなお悩みをお持ちの方も多いと思いますので、今回はこの実例をもとに「有効間口×駐輪台数の考え方」を整理してみました。

■本記事はこんな方におすすめ
・間口に対して何台の自転車が置けるか知りたい
・平置き式ラックとスライド式ラックの違いを比較したい
・設計段階で駐輪スペースの収容台数を把握したい
まずは結論:CS-Hでは想定台数が入りません

お問い合わせ内容をもとに、【ダイケン】サイクルスタンド CS-Hで配置を検討しました。

  • 間口6,000mm → 約14台
  • 間口3,780mm → 約8台

どうしても20台・12台には届かず、「入れたい台数」と「実際に入る台数」に差が出る結果となりました。

CS-Hはスタンド同士の間隔(ピッチ)が決まっており、ハンドル部の取り回しできるスペースも必要なため、これ以上詰めることができません。

ラックが固定しているタイプはラック間のピッチの関係で必要台数の確保が難しい

代替案:SR-Kなら台数を確保できる可能性があります

同じダイケン製品で、スライド式の自転車ラック「SR-K」というシリーズがあります。

SR-Kはラックに高低差を設けることで省スペース。
かつ使用するときにラック部をスライドさせる「スライド式ラック」のため、同じ間口でもより多くの台数を確保できるのが特徴です。

サイクルラックSR-Kは自転車を出し入れする際にラックを横にスライド可能

実際にシミュレーションしたところ、

  • 間口6,000mm → 約20台
  • 間口3,780mm → 約11台

という配置が可能でした。

※ご希望の「20台・12台」という条件のうち、6m間口はクリア。3,780mm側は惜しくも1台足りない結果でした。ただ、お客様からは「2列で計31台駐輪できれば問題ない」とのことでしたので、このご提案でご了承いただきました。

スライドラックは構造上、初期費用が平置き式より高くなりますが、限られたスペースでできるだけ多くの台数を確保したいという場面では非常に有効です。

今回ご提案した商品

【ダイケン】自転車ラック スライド式ラック SR-K

ダイケン 自転車ラック スライド式ラック SR-K イメージ

自転車を出し入れする際、横方向にスライドできるラックです。
普段はコンパクトに収納でき、スペースを有効活用しながら駐輪台数を確保しやすいのがメリットです。

スライド式ラックの中ではコストパフォーマンスがよく、ラックの高低差により奥行1,755mmに対応した狭小地向けタイプとなっています。

スライド構造を活かしながら、省スペース設置を実現しているモデルです。

ただし、子乗せ電動アシスト自転車には対応していないため、ファミリー層が多い集合住宅では、アルミ製スライド式ラック「SR-AFW」のほうがおすすめです。

入居者層に合わせて商品を選ぶことで、運用の失敗も減らせます。

ファミリー層が多い集合住宅ならアルミ製スライドラックSR-SFWがおすすめ

台数検討で便利な「みつもりダイちゃん」

ダイケンさんは「みつもりダイちゃん」というオンライン簡易見積りツールを公開しています。

URL:https://daiken-sim.jp/

ダイケンの見積もりシステムみつもりダイちゃんが便利

  • 設置予定の間口
  • 製品の型式

などを入力すると、駐輪可能台数・定価・設置寸法(収まり)まで確認できます。

見積書をPDFでダウンロードしたり、CADデータや施工要領書も一括で確認できるため、必要な情報を探し回る手間が省けてとても便利です。

みつもりダイちゃんだと収納可能台数や定価、必要間口サイズやCADデータなど設計に必要な情報を一度に取得可能

設計の初期段階で台数や概算予算を掴みたいときに、本当に役立つツールです。
(正直、私もよく使っています…笑)

「平置きラック」にしようと思っていたのに入らない…というケースは多い

実務ではよく、「コスパ重視で平置きラック(今回はCS-H)にしたかったのに、必要な台数が入らない」というケースがあります。

理由はシンプルで、

  • スタンド同士のピッチが決まっている
  • 取り回しのためのスペースが必要
  • 設置基準を無視できない

といった要素があり、理論上の寸法よりも「実際に使えるスペース」は小さくなるからです。

特にリフォーム現場では、「以前は○台置けていたから、同じ台数を確保したい」という要望に対し、再設計すると収容台数を確保できないケースがあります。

これは、以前のラックがピッチを詰めて設置されていた場合に生じやすく、同じように詰めてしまうと取り回しが難しくなり、入居者満足度の低下につながる可能性があります。

アパート・マンション、店舗、病院、公共施設などでは、図面上は入るけれど、実際には無理という問題が後から起きやすく、注意が必要です。

まとめ:間口と台数は「商品選び」で大きく変わります

今回のご相談を通じて改めて感じたのは、「間口の広さが同じでも、設置できる台数は商品によって大きく変わる」ということです。

平置きタイプのCS-Hのようにシンプルで扱いやすいタイプもあれば、スライドラックのSR-Kのように台数優先で設計された商品もあります。

どれがベストかは、

  • スペースの制約
  • 必要な台数
  • 予算
  • 入居者の属性(単身者向けか、ファミリー向けか)

などの条件によって変わります。

この記事が、駐輪スペースを検討する際の参考になれば嬉しいです。
もし自転車ラック選びでお悩みがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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