LIXIL新商品勉強会2026参加レポート!集合住宅強化の年。それでも主役は戸建て?
毎年おなじみとなっている【LIXIL新商品勉強会】ですが、今回は2026年2月19日に大阪府箕面市のLIXIL大阪エクステリアショールームで開催された回に参加してきました。
勉強会は全体で約150分構成。前半は座学、途中に休憩を兼ねた実機確認が入り、再び座学という流れです。
配布資料は、WEBでも公開されている【エクステリア2026新商品ニュース】のみでした。
背表紙まで含めると全20ページで、事前に確認した段階では仕様変更がメインと感じていただけに、「150分も使うのか…途中で飽きそうだな…」と思っていましたが、意外や意外(失礼)、途中で駆け足になるほどの商品説明ボリュームとなっていました。
そんな勉強会の内容を、豊島の主観も交えながらご紹介させていただきます。
・LIXILの2026年新商品情報を、公開情報以外の内容も含めて知りたい方
・新商品の実機写真を確認したい方
「完全新作」は…少ない。
まず今回の印象を一言で言うなら、「完全新作」というよりも集合住宅強化と既存商品の再設計。
派手な新カテゴリ追加というより、既存ラインを磨き込み、次の市場に備える年になりそうだと感じました。
今回の全体傾向
冒頭では、支店長の挨拶の中で
- 防犯・防災・環境
- 戸建てだけでなく集合住宅・非住宅へ拡張
という方向性が明確に打ち出されました。
ただ、実際の構成を見ると、集合住宅向け大型引き戸や通用口などは終盤30分ほどでやや駆け足気味の紹介。
集まっている販売店の傾向を見て構成しているのか、営業側の温度感なのかは分かりませんが、体感としてはやはりメインは個人宅向け商品の説明に重心が置かれていました。
このあたりは、メーカーの方向性と市場の現実がまだ過渡期にあるようにも感じました。
既存商品のブラッシュアップが中心
今回特に感じたのは、「現場課題の修正」です。
例えば機能門柱FTでは、

- 本体とベース部に分かれていた構造を一体化し、強度アップ
- ダイヤル錠の視認性向上
- ディープグレー色の追加
- 表札+照明一体型オプションの追加
といった改良。
デザイナーズパーツでは、昨年登場した「浮遊ステップ」をブラッシュアップ。

- 300角タイルに対応しやすいミニタイプを追加
- 立ち上がり寸法変更による仕上がり改善
- 施工性向上のためのネジ・ベース材の変更
など、いずれも「現場で一度は感じたことがある」ポイントをきっちり拾いに来ています。

派手さはありませんが、実務には効く改良だと感じました。
実機で感じたリアル
実機確認では、素材の質感が印象的でした。
樹ら楽(ウッドデッキ)
木彫・柾目・プレーンと整理され、樹ら楽の中で松竹梅の提案が可能に。ちなみにプレーンは従来の樹ら楽ステージを名称変更したものです。(ややこしい(笑))
デッキDS・DCは別ラインとして継続販売。また、トステム時代から販売されていたレストステージは廃番となり、これにより、LIXILの価格普及帯のデッキは樹ら楽ステージのプレーンが担うことになります。
樹ら楽 柾目タイプ

- 柾目タイプは秋発売に延期。
- ナチュラルな木目で、少し離れて見ても美しい仕上がりがポイント。
- ワイヤーサンディング加工により凹凸のある仕上げを実現。
- 開き戸やオプション類は旧樹ら楽ステージと兼用可能。
樹ら楽 木彫タイプ

木彫タイプに使用されている【循環型素材「レビア」】は、混合廃プラスチックを再利用した素材で、CO2削減効果を数値で示せる設計。大阪・関西万博の関連案件でも採用実績がある、という紹介がありました。
この木彫タイプを1トン製造すると、CO2を1.1トン削減できるとのことですが、規模が大きくて正直あまり実感がわきません(笑)。
- 従来の「樹ら楽ステージ 木彫」をベースにした設計。
- アシンメトリーな凹凸溝でリアルな質感を実現。
- 従来のデッキよりも「反り」に強い設計。
- 幕板のコーナーキャップも同素材のレビアを採用し、一体感のある収まりに。
- 環境配慮商品でありながら、デザイン面にもこだわった商品。
ただ、この商品について、豊島の主観として気になる点が3つあります。
- デッキ材の表面に、リサイクル時に混入するアルミ箔が所々含まれており、キラキラとした反射が気になるという声が出る可能性がある点。
- 勉強会会場では蛍光灯下に展示されていたため、全体的に反射が目立って見えたこと。日光下ではどう見えるのかという点。
- リサイクルに伴うコストが価格に反映されるため、ユーザーが環境意識とコストを天秤にかけた際に、どれだけ「環境意識」を選ぶのかという点。
※あくまで豊島の主観です。
タイルデッキ

タイルデッキは従来のラインナップでもありましたが、今回は新商品という位置づけで販売。
- タイルはマイクロガードフロア構造で、滑りにくく汚れも落としやすい設計。
- アクセント柄のタイルを導入。戸建てでも使いやすい柄をラインナップ。
- 湿式ではなくアルミ基礎構造のため、外構職人で工程が完結しやすい点も現場向き。

フェンスAW

フェンスの市場は横ばいながらも、デザインを重視される傾向にあると分析。
板張りや木彫が人気があることから、LIXILでも外構トレンドのニーズにこたえるために新たに木樹脂の板張りフェンス「フェンスAW」を拡充。
- 発売時期は秋に延期。
- 天然木のような丸みを表現。
- 柱にもR加工を施すことでアルミの素材感を目立たせなくしている。
- 板の表面には樹ら楽柾目タイプと同様の「ワイヤーサイディング加工」を施している。
- 柱ピッチは1メートル
- リサイクル樹脂材ではなく、1枚当たりもしっかりとした質感を重視しているためラインナップの中では高級価格帯に位置する。
カーポートSC1500ミニ

- 駐輪場市場は微増。その中で1500タイプは10%の市場。そこに対して今回商品投入を行った。
- 600NにはL56サイズを追加。通路屋根として連棟で設置する際に柱ピッチを2,800mmで連続設置することができるようになるため、デザインのノイズが減る。
カーポートSC Textured Color(テクスチャードカラー)

- 期間限定品として販売していたが、好評のため規格化。
- 高級感とモダン調和がコンセプト。
- 従来にはなかった「ホワイト」が選択可能に。
- 価格は従来のアルミ色対比で125%(ダスクグレーは110%・木調色は140%なので意外とお手頃価格)
- サイズバリエーションが限定されているので注意。
通常のカーポートSCは「電着塗装」で、表面はツルッとした質感。一方、テクスチャードカラーは「粉体塗装」を採用しており、ここで質感の違いが出るそうです。

- ざらざらとしたマットな質感で傷が目立ちにくい。
- 表面の細かな凹凸により紫外線や雨水から受ける影響が減るというメリット。
- 屋根下での結露が発生しにくい。(発生しないというわけではない。)
- ダウンライトやラインライトなど、照明の光が優しくなじむ。
新色の発売程度と思っていましたが、粉体塗装にすることで意外なメリットがあるんですね。このことは資料に詳しく載っていなかったので勉強会に出てよかったとシンプルに感じました。
エルネクス門扉

- 集合住宅向け提案性を向上。
- 高尺門扉のニーズは高まっているという分析から、今回ラインナップ。
- 市場は電気錠と高級鋳物門扉が伸びているとのこと。
- ルーバーデザイン機種を追加。目隠し率が100%ながらも、通風しやすいルーバーデザインを採用。
- 1つの電子キーでメインエントランスから住戸までスマートに通過できる「WAY PLUS」に対応可能。
開き門扉AX

- 鋳物デザインTC1型を新規設定。
- カラーはローストブラック1色
集合住宅向け 宅配ボックスA型

戸建ての宅配ボックス市場は横ばい傾向。というのも戸建ての着工数が落ちていることも要因にある。一方で集合住宅向けの宅配ボックスは伸びている傾向。
そこで、集合住宅向けに特化した宅配ボックスをLIXILとして初めて導入することに。
- ワンタイム式の錠を採用することで、複数世帯で共有利用が可能。ちなみにLIXILの推奨は3~4桁。
- 万が一番号がわからない場合でもマスターキーを使用して解錠が可能。解錠後にロック番号を確認してロックを解除する仕組み。
- H1600でベースとなる高さは決まっている。戸数に合わせてポストや宅配ボックスを自由に組み合わせても、統一感のあるデザインに。
- オールステンレス製で、風速60m/sに耐える高強度。防水はIPX4の性能で屋根のない屋外でも設置を想定した設計。

デザイナーズパーツ
Dコーピングスリム

- 従来品のコーピングは施工時に外しにくいという声もあったが、今回は横方向から力を入れると簡単に外せるようになったとのこと。
- スリムシームレスラインライトを仕込めるので、夜間のライティングも演出可能。
枕木材

- 30×85にL1750mmを追加。門袖の横にカット無しで並べて設置しやすくなった。
- 15・40×85の上部から見ると三角形の枕木材を追加。三角形の細い面を道路側に向けて設置すると、斜めから見た時に目隠し効果を発揮しながら、すっきりとしたデザインを演出できる。

片面平板

- 従来の平板の80%の価格。
- 裏面もしっかりラッピングされている。裏面は植栽とセットの利用が便利とのこと。
- キャップの固定に接着剤が不要。平板とキャップを一緒にねじで固定する方式。
エクステリアライト美彩
DC12Vがエクステリアのライティング市場ではシェア7割以上とのこと。10年前から比較すると200%程度の伸長とのことで、エクステリアのライティングはますます重要になってくる。
発表担当者も「今回の勉強会のメインディッシュです!」と力強く言ってたのが印象的。
スリムシームレスラインライト

- 何回も担当が噛みそうになるネーミング。
- 2種類のレールがラインナップされているので、光らせ方を考えて収め方を変えることができる。
- プラスGのパーゴラに仕込んでみたりと空間演出にも使える。
なお、こちらのライトは手すりに仕込むことが可能。
- 12V照明のメリットである発光時に発熱しないというメリットを活かせる。
- 端部のライトはカットが可能だが、連結用はカットが出来ないため、柱のピッチによっては特注が必要に。
- 柱の内部を配線し、柱の側面上部から配線を取り出しビーム部分に配線。リフォームでの採用は柱の外側をまわす必要があるので新設向き。
トランス電源ユニット

- 集合住宅でも使いやすい70Wタイプの追加。
- 70Wタイプは4回路。3回路は自動回路(明るさセンサーやタイマーに連動)、残り1回路は常時点灯。これが結構便利とのこと。使い方としてはカーポートのダウンライトをつないで、間に人感センサーをかませることで1日中作動が出来るというもの。
今年の施工コンテストでも夜のライティングを採用した作品の応募を待っていますとのこと。これは新商品を使うと採用されやすいか?(勝手な憶測(笑))
アペリードAL型

- セキュリティを求める現場に最適な「つの出し格子タイプ(Cタイプ)」を追加。
- H20サイズで高いセキュリティ性。
通用口共通門扉(フェンス・引き戸用)

- H18・20のみ「破壊窓仕様」が選択可能。
ゴミ収納庫 PA型・PB型

- トレンドのブラック色を追加。LIXILのサッシのカラー出荷構成は40%がブラックとのこと。
- 本体はブラック色だが、床板はステンカラーなので注意。
番外編
- カーポートの基礎寸法だけ記載したカタログを新設するとの情報。
- カーポート屋根のブラック色のレギュラー化に伴い、従来オプションだったパネル緩衝材のブラック色を標準設定に変更。
※ここから先は商品スペックというより「メーカーの狙い」を販売店目線で整理した補足です。新商品だけ知りたい方は次の見出しへ。
PremiALと環境戦略について感じたこと
今回、冒頭で時間をかけて説明されたのが「PremiAL(プレミアル)」。

2028年以降、建築時のCO2排出量の提出義務化が検討段階とされている中で、EPD取得済み・リサイクル比率の高いアルミ材を価格据え置きで展開。
これは単なる環境対応というより、将来、本格義務化されたときのための種まきのように感じました。
制度が完全に動く前に、市場に慣らしておく。その布石のように思えます。
現実はまだそこまで動いていない。
勉強会でデッキ説明を担当されていた方に率直に聞きました。
「デッキ市場が低迷している中で、リサイクル材のレビアを使用する樹ら楽木彫は、リサイクル起因で価格が高いなら、2028年以降に義務化されたときに【価格以外】で比較できる選択肢にはなるが、現時点であえて選ぶ人は少ないのでは?」
答えは、「全くもってその通りです。」
LIXIL側も、今すぐ売れるテーマではないことは理解している様子でした。
PremiALやレビアがいくら優れた取り組みでも、現時点で「CO2を削減できます」と言って強く刺さるのは、大手法人や環境配慮案件が中心でしょう。
実際、スライドで紹介された採用実績は某大手ゼネコンや某大手コンビニなど、誰もが名前を知る企業ばかりでした。
PremiALに関しては価格据え置きのため、LIXILのアルミ製品を採用すれば、知らないうちに使っているという状態になるのかもしれません。
戸建て市場では、依然として価格とデザインが優先されるのが実情です。
まとめ
今回の勉強会は、派手な新商品発表というより、集合住宅強化と既存商品の精度向上、そして環境対応の布石。
短期の売上というより、中長期の準備を感じる内容でした。
市場はまだ戸建て中心。
環境配慮も過渡期。
だからこそ、今は「温度差」がある。
その温度差をどう読むかが、販売店側の戦略にも影響しそうです。
当店としても、集合住宅向け商品や環境素材について、今後の商品ページや提案方法にどう落とし込むかを検討していきます。
長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。






























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