リンクストーンを価格だけで決める前に!F・M・Sの違いと選び方を解説

「リンクストーンって、見た目がいいし気になるけど、結局どれを選べばいいの?」舗装材を考える中でそんな風に思ったこと、ありませんか?
実は当店でも、この商品名で検索してくるお客様がけっこう多いんです。商品名でここまで調べられている舗装材って、ちょっと珍しいんですよね。
リンクストーンは、四国化成建材が販売している透水性の舗装材で、アプローチや土間などの仕上げ材として使われることが多いです。
水はけが良くて見た目も上品なので、「コンクリートの仕上がりだと味気ない…」「ちょっといい感じにしたい」と思ったときにぴったり。
ただし、このリンクストーン。
F・M・S・G・Cの5タイプがあって、そのうち特にF・M・Sの3つは見た目が似ているうえに価格も近い。
だからこそ、「どう違うのかよく分からない」「どれを選べば後悔しないのか」と迷ってしまう方が多いのも納得です。
そこで今回は、それぞれの違いや材料費、メンテナンス性まで含めて、プロ目線での「選び方のコツ」をまとめました
・リンクストーンの導入を検討中の外構・舗装業者の方
・F・M・Sの違いをしっかり把握して選びたい方
・コストだけでなく、強度やメンテ性まで考えたい方
まずは「F・M・S」の違いをざっくり確認
リンクストーンは全タイプに共通して、無黄変ウレタン樹脂を使用していて、紫外線による黄ばみが起きにくいのが大きな特徴。
加えて透水性もあるので、水たまりができにくいのもポイントです。
じゃあ違いは何かというと、「骨材の大きさ」・「厚み」・「滑りにくさ」・「接着力」などがタイプによって違ってきます。
以下に、それぞれの仕様をざっくり比較した表をまとめました。
商品ページを先にチェックしておくと、具体的な違いがイメージしやすいかもしれません。
項目 | Fタイプ | Mタイプ | Sタイプ |
---|---|---|---|
骨材サイズ | 4~6mm(2分石)+ 2~3mm(1分石) |
4~6mm(2分石) | 2~3mm(1分石) |
塗り厚 | 約8mm | 約10mm | 約3mm |
接着強度 | 2.3N/㎟ | 2.0N/㎟ | 2.1N/㎟ |
滑り抵抗係数 (湿潤BPN値) |
31 | 28 | 51 |
㎡当りの定価目安 (1.5㎡セットで比較) |
約19,940円 | 約19,940円 | 約12,540円 |
洗い出し対応 | 不可 | 可能 | 不可 |
「滑りやすさ」ってどうなの?
リンクストーンは、透水性があるため水たまりはできにくいものの、「濡れると滑りやすくなる可能性があります」とカタログにもしっかり明記されています。
そこで、カタログ記載の数値をもとに「滑りにくさ(滑り抵抗)」を比較してみました。
項目 | コンクリート | Fタイプ | Mタイプ | Sタイプ | |
滑り抵抗係数 (BPN値) |
乾燥状態 | 67 | 73 | 71 | 109 |
湿潤状態 | 36 | 31 | 28 | 51 | |
滑り抵抗係数 (C.S.R値) |
乾燥状態 | 0.70 | 0.70 | 0.65 | 0.73 |
湿潤状態 | 0.60 | 0.76 | 0.75 | 0.81 |
- BPN 値は四国化成試験値:スベリ抵抗測定器 ASTM E303 による
- C.S.R値は国土交通省認可 協同組合防滑業振興協会による
- 国土交通省の「バリアフリー新法」や東京都の「福祉まちづくり条例」 において、床・路面の推奨値をC.S.R=0.4以上と定めています。
この表の結果をまとめると、
- 乾燥時の滑りにくさはMタイプを除いてコンクリート以上。
- 湿潤時になると、F・Mタイプはコンクリートよりやや低い数値
- Sタイプだけが、濡れても十分な滑り抵抗を保っています。
ちなみに、滑り止め材を加えることで、スロープなどでも施工可能になります。
ただし、Mタイプに「後から洗い出しをしたい」と思っているなら、滑り止め材を使ってしまうと洗い出し施工ができなくなるため注意が必要です。
スロープに使うならどうする?
スロープにリンクストーンを使いたいなら、以下の2つの製品があります。
- 「SK滑り止め材(新設用)」…新設時に混ぜて使う
- 「つや消し&滑り止めキット(既設用)」…あとから塗布するタイプ
四国化成の営業マンいわく、既設用のほうは少し施工が難しいとのことで、最初から滑りやすくなる場所が分かっているなら、新設用を混ぜて施工するのがベターとのこと。
結局どれを選ぶべき?
ここまで見てきた中で、「じゃあ自分の現場ではどれがいいのか?」をまとめるとこうなります。
- Fタイプ →接着力と耐久性を重視したい現場に。重歩行エリアや経年劣化が気になる場所におすすめです。
- Mタイプ →洗い出し施工に対応できるので、将来的な補修を見越したい方に。洗い出し基材と組み合わせることで、駐車場にも対応できます。
- Sタイプ →材料費が抑えられ、滑りにくさも優秀。玄関ポーチなど、安全性を重視する場所に向いています。
まとめ:価格よりも「現場の目的」で選ぶのが正解
リンクストーンを調べている方の多くは、やっぱり価格が気になると思います。
でも、実際には「どんな現場で・どんな風に使いたいか」で選ぶべきタイプは変わります。
- 高い接着力と耐久性が求められる → Fタイプ
- 後からの補修や洗い出しを視野に入れたい → Mタイプ
- コストを抑えつつ、滑りにくさも重視したい → Sタイプ
それぞれの特性を理解したうえで、現場にぴったりなリンクストーンを選びたいですね。
本記事がリンクストーン選びの参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
この記事へのコメントはありません。